新海誠監督の最新作『天気の子』が良すぎて2日連続で見に行ったって話

どうも、オタクです。

あ、でも新海誠オタクって訳じゃなくて広義の一般的な視点から見てって意味のオタクであって、あ、あ、でもオタクと言っても結構カジュアルな方だと思ってて、あの、やっぱ、確かに客観的に見たらオタクなのかもしれないけどオタクという単語の持つイメージほど何かに特段詳しいという訳ではなく、グフ、グフフ!!

 

グフ・カスタムって結構好きなんですよね。かっこよくないですか?グフ・カスタム

HGUC 1/144 MS-07B3 グフカスタム (機動戦士ガンダム 第08MS小隊)

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公開2日目に1人で『天気の子』を見に行って、

 って喚いてたら、友達と行くことになったので2日連続で見ました。

そんなこんなで『天気の子』感想行きまーす!バリバリネタバレあると思うので、まだ見てなくてネタバレが嫌だって人はゴーバックホーム

 

みんな帰ったか?残るべきヤツだけ残ったな?

じゃあ、とりあえずまずは以下に示す『天気の子』予告動画を見てほしい。

www.youtube.com

 

youtube再生回数も一番多いし、よく見た予告動画は多分これだと思うんだけど(俺はTOHOシネマズの劇場予告でこれ見て絶対見たいと思った。)この予告、2人の関係性から始まって各キャラクターの紹介、関係性の深まり、その結末みたいな流れを軽快な曲調の第二主題歌と位置づけられてる『グランドエスケープ』から始まってしっとりとした曲調の第一主題歌『愛にできることはまだあるかい』で締めくくる感じなんですよ。

 

この予告を見て、なんとなく想像する話の流れって帆高と陽菜が出会って晴れにする力を使ってるうちにいろんな人に出会い、そのうち力を使うべきでないと大人たちに言われたけど最後の力で完全な晴れを呼ぶみたいな……そんな感じだと思うんですよね。まあこれは個人的な想像ですけど。

 

そんな想像をしながら見に行ったんですけど、いやいやいや………

 

全然違うやんけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

綺麗な空っぽい色にしてみました。

いや、もう事前に与える情報から既に””仕込み””始まってたんやな…みたいに思いましたね。新海誠、天才か?いや天才なんだよな。

俺は裏切られることが好きなので、こういうことされちゃうと一瞬で恋に落ちてしまいます。Love for you...

 

ざっと全体的な流れをさらうと、家出少年の帆高が弱小ライターの須賀と出会ってその取材の途中で水商売に手を出そうとする陽菜を見つけ、水商売は引き止めて晴れ女の力を使ってお金を稼ぐようになるんだけどその力は代償があって使うたびに空に連れていかれるようになる…帆高はそれを良しとせず東京は水の中に沈むみたいな感じでしたね。

 

この「代償」って言葉がすごく大事。序盤から狂った天気を正常にするには代償が必要って至るところでしつこく言われるから覚えておいてください。「代償」。500LPを払って追加で通常召喚するやつじゃないよ。え?伝わるよね?

 

この物語って、世界か愛かどちらかを選ばなくちゃいけなくなった時にどっちを選ぶのかって話が主軸にあると思うんですよ。世界を敵に回しても俺だけは君の味方だよ論みたいな。この物語がそうというよりは新海誠作品はそういうものが多いなのかもしんないけど。「雲の向こう、約束の場所」めちゃくちゃ好きです。

この物語において主人公が迫られる選択っていうのが「東京の狂った天気を戻すのか、初めて好きになった陽菜と一緒にいるのか」なんです。その選択を帆高は本当に一片の迷いもなく陽菜と一緒にいることを選ぶって言うんですよ。「天気なんてどうでもいい。俺は陽菜さんと一緒にいたい」って、めちゃくちゃかっこよくないですか?

俺もそんな風に愛せる誰かと出会いてえ~。いやでもそんな立場になったとして本当に躊躇なく愛を選べるのか俺に…。こういうとき思い出す諺、ありますよね。はい、皆さんご一緒に。せーの「取らぬ狸の皮算用

 

これを考えてた時にふと『君の名は。』のことを思い出したんですけど、こっちは2人の時間を越えて紡いだ想いを””代償””にして糸守町を救ったんですよね。と思ったらめちゃくちゃに鳥肌立ってきて

 

エッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッモ!!!!!!!!!!!!!!!

 

って叫んじゃいましたわ。オタクなのですぐ叫ぶ。新海誠、天才か?天才なんだよな。大事なことは何度でも言うぞ。

 

ここまでは何かを選ぶには必ず代償があるって話してきました。代償になったものってどうなると思いますか?”世界を敵に回しても俺だけは君の味方だよ論”から行くと切り捨てられると思いませんか?思いましたよね。

でも、その代償って必ず切り捨てられるものじゃないって話もあるんですよ、実は。先に言いますけど、新海誠、天才か?天才なんだよな。

それについて話すときに忘れちゃならない大事なキャラクターがいます。陽菜の弟で凪っていう小学生の男の子。この子めちゃくちゃモテモテ小学生でしてこんなこと言うんですよ。

「付き合うまではハッキリして、付き合ってからは曖昧になれ」

みたいな。一言一句は違うと思うんですけど、概ねこんな感じなんですよ。これに衝撃を受けた帆高は「先輩」って呼ぶようになるんですけど、俺たちにとっても先輩だなって思いましたね。俺も先輩みたいなこと言えるように頑張るよ。

 

ここから代償は切り捨てられるわけじゃないって本題に入ります。凪くんの言った言葉ってちょっと飛躍してるものの、「白黒選ぶ必要はあるが、選んだあとは選ばなかった方に手を差し伸べてもいい」みたいな話だと思いません…?

実際、劇中で凪くんの周りに出てくる女の子が2人いるんですけど元カノと今カノっぽいのに2人で凪くんを助けてくれるんですよ。元カノと今カノっすよ?普通修羅場じゃん。でも凪くんって片方の子を選んだけれど、選ばなかった子とも良好な関係性を続けてるってことじゃないですか。それだけ取ったらただのクソ男な気もするんですけど、この物語上結構重要なことな気がしてるんですよね。

ここで帆高の話に戻るんですけど、本当に何の迷いもなく陽菜といっしょにいることを選んだけれど、そのあと雨は降り止まず東京はその大半が水に沈んでしまった。僕が、僕たちが世界の有り様を変えてしまったんだと。本当にそれでよかったのだろうか。選んだあと世界を切り捨てたと考えてた帆高は悩んでたんです。その悩みに引っ張られて陽菜に会えずにいるんです。いろいろ理由を並べるけれど、かけるべき言葉が見つからなくて3年も連絡すら取ってません。3年連絡取ってなくても18と19なんですよね。チートか?

そんな帆高に「東京は昔の姿に戻っただけ」「世界は最初から狂ってるから気にするな」なんて大人たちはそんな声をかけてくれます。そんな言葉からなんとなく陽菜に会って最初に言う言葉を考え始めます。歩きながらブツブツ言ってます。

え、もしかしてオタク…?あ!あ!すいません!一緒にしてすいません!叩かないで叩かないでください!ごめんなさい!

顔をあげると、陽菜を見つけます。改めて空から戻ってきた陽菜を見て涙を流す。そこに陽菜がいる。そばにいることが出来る。そう気づいたとき「陽菜!」と叫びながら駆け寄ります。陽菜も「帆高!」と叫んで近づいてきます。そして泣いてる帆高を見て「大丈夫?」と声を掛けます。そう言われて帆高は力強く返事します。

 

「僕たちはきっと大丈夫!」

 

書きながらちょっと涙流れてきましたわ。言っちゃいますか?あれ。

新海誠、天才か?天才なんだよな。

たとえ街が沈んでも、人々はそこで生活しているし、陽菜と共に生きることも出来る。帆高は陽菜がそこにいることで分かったんですよ。確かに世界の形を決定的に変えてしまったけれど、たったそれだけなんだって。世界は終わったわけじゃない。変わっただけなんだって。変わってしまった世界で、陽菜といてもいいんだってことを。

 

にできることはまだあるし、にできることはまだあるよ。

 

これ見よがしに主題歌の引用持ってきたんですけど、挿入歌の入れ方がまた憎くて、上に貼った予告ではグランドエスケープの盛り上がり部分を最初に持ってきて気持ちが盛り上がるようにしてるのに、本編では帆高が陽菜といっしょにいることを選ぶクライマックスのシーンで掛けるんですよ。まーた裏切られましたわ。しゅき……。

これは覚えてないだけかもしれないんですけど、愛にできることはまだあるかいの歌詞付きでちゃんと流したのEDクレジットだけだった気がする。歌詞追いながら聞くとめちゃくちゃ物語に沿ってるのに歌詞なし劇伴としてしか使ってないってヤバくない?

それから雨の扱い方についてなんですけど、雨ってよく心理描写として使われるじゃないですか。雨が負の感情で晴れが正の感情みたいな。実際の風景としても雨の日は暗くなるから気持ちが沈むし、劇中でもそんな話は出てくる。だけど、雨をずっと降らせることでそれは単なる日常の風景になるし、一番最初のシーンで帆高が楽しそうに笑いながら大雨に降られに行くんですよね。そういう細かいシーンでも雨=負の感情みたいな鉄板の認識を取り払ってるように思うんです。あのシーンなんだったんだと思ってたけどそういう意味があったのかなって書きながら思いました。でも、ここぞという時には大雨降らしたりしてその瞬間の雨には意味を持たせたりするんですよね。カァ~ッ!憎いね、新海誠

 

冒頭でも新海誠オタクじゃないって言ったとおり、全作品見てるわけじゃないんですよね。これを機に絶対全部見ようと思いました。だってさ、新海誠は天才なんだぜ?

 

人生は選択の連続で何かを選ぶとき必ず代償があるんだろうなとか、代償だからといって必ず切り捨てなくちゃいけないわけではないんだよなみたいなことまで考えちゃうくらい感情を揺さぶられる映画でした。本当にいい映画だったので見てない人は見てほしい。あ、でも見てない人は帰れつっちゃったな…。見た人たちは見てない人におすすめしような!

 選ぶと言えばみんな、選挙行った?俺は行ったよ、選びたいので。俺にできることはまだあったよ。

 

 

水しか飲んでなかったら「内緒ね」つって渡されてぇ~!って言いながら食べました。