『90分』に込められた思い / 映画大好きポンポさん

最近梅雨のせいかジメジメしてますね。

天気の話から入るブログ記事って時代を感じませんか?

 

昔を語り始めたら歳をとった証拠なんですよね。あゝむなしや。

 

pompo-the-cinephile.com

 

映画大好きポンポさんって知ってますか?

TwitterでボケッとTLを眺めていたらたまたま流れてきたpixiv漫画を読んだのがこの作品との出会いでした。

 

その頃のツイート遡りてぇのに凍結されたことがあるのでツイログが使えませんでした。泣いてます。なんでや!

 

その当時からすごい感銘を受けて単行本もしっかり買って読んでました。

いや、マジですごいのよ。SHIROBAKOみたいにリアルな現場を描くんじゃなくて、重要な場面だけ切り抜いてキャラクターに語らせるのがよかった。

 

そんないい原作を使った上で更に映像作品としていいものを作ってきたので本当にこの映画よくて感動しました。

 

もともと、原作付きのアニメってなぞっただけだったり、完全オリジナルだったりで面白いんだけど原作読めばよくない?ってなることが多くてイマイチ好きになれないことが多かったんですけどこの作品はマジで違ったんですよ。

 

””オリジナル要素を加えつつ、大筋は原作通り””っていうのが本当によかった。

 

実は原作にアランは出てきません。

映画編集のシーンも結構サラッと描かれてます。

 

この編集シーンで結構ガッツリ映画オリジナルがあるんです。

ジーンがこの映画に足りないシーンがあるってポンポさんに追加撮影をお願いする場面なんですけど、アランってまさにそうだったんだろうなってあそこを見た瞬間思いましたね。この原作を映像化する上で必要だったシーン。

 

・夢しかなかったジーン。

・夢を追い続けたナタリー。

・何もなかったアラン。

 

この若き3人の対比と成長を描いて、めちゃくちゃいい映画になってました。

自分には映画しかないから、映画のことだけを考え続けてついに監督をすることになるジーン。与えられたチャンスをものにしたいという意欲より、ここしか居場所がないという焦燥感のような勢いで作品を作り上げる姿は圧巻でした。

小さい頃からの夢をずっと諦めず、挑み続けて日の目を見ることが出来たナタリー。女優は笑顔という大事なことを忘れず、どんなに辛くても絶えず笑顔で生きてきた彼女はどんなに辛いレッスンも耐え抜いてヒロインを演じきる姿には感動を覚えました。

なんでも卒なくこなせたから社会に出てもそれなりに出来ると思ってたけどあまり上手く行かず何も出来ずに辛い日々を過ごしていたアラン。映画を撮ってるジーンと出会い、後ろを向いてると思ってた彼が実はずっと前を向いていたことを知りそれを応援したいという目標を見つけて初めて仕事にやりがいを持てるようになる姿は感無量でした。

この映画で俺が一番好きなシーンは、ラストでジーンがニャリウッド賞のインタビューで言った最後の台詞です。

 

でも、この映画のベストシーンはここじゃないと思ってます。

そのシーンは、ジーンが撮った映画の余韻に浸ってスタッフロールを見つめるポンポさんです。

 

この映画って、夢や目標を持って一生懸命になることはかっこいいみたいなある種ありふれたメッセージが込められているように思えるんですけど、実際そういう面もあるのは確か。

 

でも、タイトルは「映画大好きポンポさん」なんですよ。

この物語の主人公はジーンやナタリー、アランではなくポンポさん。

 

幼い頃から映画を見続けているのに感動を覚えたなかったポンポさんが感動出来るような映画を撮るというのが主題なんです。いや勝手にそういう解釈してるだけですけど。

 

それが一番如実に描かれているのが、さっき上げたシーン。

いつもエンドロールの途中で席を立つポンポさん。

インタビューでも、感動したことがないから感動してくれる映画を誰かに撮ってもらいたいという夢を語るポンポさん。

 

実は、ポンポさんもしっかり夢追い人だったんですよ。そのために映画をプロデュースし続けてる。

 

登場人物がそれぞれ抱えていた夢やら悩みやらが、それぞれが関わることによって一気に解決していくということに気付いてストーリー構成も練りに練られていて本当に好き。好きの気持ちが止まらんってワケ。

 

この映画はいろんな人に見てほしい。

その人によって映画の中のどこに””自分””を見つけられるか変わってくると思うので。

 

久々にいい作品を摂取したのでテンション高くなりました。

アニメ映画だからカップルとかほとんどいなくてありがたかったです。

 

 

絶対見ろよな!!!!