オタクがカンヌで最高賞取った映画を見たら真人間になった話

ズン

 

ズン

 

ズン

 

ズン!おい!ハイフリ見たか!?!?

 

www.hai-furi.com

 

あの「ポストガルパン」とまで言われた、最高のアニメーションを見せたが続編は厳しいかもしれないと言われていたあのハイスクール・フリートの劇場版見たのかって聞いてんだよ!!

 

オタクかくありき

 

ハイフリが最高であることはもう言わずもがなですけど、タイトルにある通り本日の主題はこっちではないワケ。

 

先日、友人が突然「パラサイト見に行くぞ!」って言い出したので映画オタク気取るかwつってついていったんすよ。

 

www.parasite-mv.jp

 

アニメ映画でも見に行くと、アニメ以外の予告も結構見るから最新映画についてタイトルだけは知ってるみたいなことある。この映画もそうでした。予告から受けた印象は韓国映画であること、ミッション・インポッシブルみたいなスパイ感あるなってことくらい。

 

実際見て、結構どう表現すればいいか分からない感情やら感想が募った訳なんですけどアニメオタクとして考えたときどうかって言うと、おそらくここにあるものが「アニメーションと実写がお互いに越えられない壁」なんだろうなって思いました。

 

我々オタクは「善と悪」とか「正義とは何か」みたいな結構、白黒はっきりしたものが好きじゃないですか。最近で言えば「バビロン」とかさ。(まだ全部見てないのでネタバレするな殺す)

んで、アニメーションってそういう話が多い……んじゃねーかな多分。

それから演出が派手。現実的ではないことがたくさんできるから。どんだけ地味な日常系の話でも、劇伴や背景、エフェクトなんかで画面は結構情報量を増やしてあったり……するんじゃねーかな。多分。

 

じゃあ、逆にパラサイトで感じた部分って何よっていうと。

めちゃくちゃ細かい表情で表す感情の機微とか、一般人が演技をしようとしたらこうなりそうだなみたいな演技とか、とにかくリアリティを感じた……気がした。

実写って人間が複数いるだけで情報量がとんでもなく膨大になる……気がした。

 

そうすね。もうちょっと中身の話します。

 

「半地下に暮らす日銭を稼ぐにも必死な4人家族」と「大豪邸に暮らす何不自由ない生活を送る4人家族」を対照的に描いてるんですけど、まあここでオタクが社会の貧困問題とか言うても””浅い””だけなんで言いません。

 

半地下家族は大豪邸家族に取り入るためにに必死でそれっぽい雰囲気を身なりやらなんやらで取り繕うんですけど、大豪邸家族がふと「何とも言えない抗いがたい臭いがする」って言うんですよ。半地下家族は同じ人間でありながらそこには簡単には埋められない大きな格差があることに気付いていくんですね。

 

このことに気づき始めるきっかけが………

 

あーっと!!!!!!!!!!ここから結構なネタバレが!!!!!!!!!!

 

中身の話しますって言ってるんですからまあそれはそうなんですけど。

 

閑話休題(オタクが一番好きなセリフ第一位)

 

そのきっかけっていうのが、そこそこに馴染んできたとある日大豪邸家族は全員でキャンプに行くっつーんすよ。そこで半地下家族は我がもの顔で大豪邸で遊び尽くすんですね。夜がふけるにつれてだんだん外が嵐になっていくんですけど、そんな中突然来訪者が現れるんす。追い出した家政婦なんすけど、そいつがどえらい秘密を家に隠してて、なんと夫を地下シェルターに住まわせてたんです。最初は通報しようとしてましたけど、大豪邸家族を騙してることがバレてそれを脅しに使われたんですけどこの生活を手放したくないあまりにしっちゃかめっちゃかしてなんとか半地下家族は2人を縛って事なきを得ます。そしたら「あと8分で帰ってくるからジャージャー麺作っとけ!!」って電話かかってくんの。まあ慌てて片付けて机の下とかに隠れるんですけどそこで大豪邸家族の本音を聞いたんです。「何とも言えない抗いがたい臭いがする」

 

そこからギテクがなんとなくそれに対して不快感を覚え始めるんですね。ただ単純に臭いって言われたからだけじゃなく明確な格差を感じたりどこに向けるべきか分からない怒りを覚えてしまったんですね。あとやっぱり臭いって言われたのムカつくと思う。まあ聞いちゃったのは自業自得だけど。

 

そんな心境の中でキャンプが駄目になった息子のために誕生会を開いてそこでサプライズをするから協力してくれってギテク言われます。

 

着々と準備が進む中、ギウもギウで地下に縛り付けた2人のことを家族を巻き込んだ俺が解決しなくちゃっていう義務感で1人こっそりデカイ石を持って降りていきます。緊張感半端なくてすごかった。すごかったよ!緊張しすぎて「コイツは俺から離れない……」とか言ってた石を落っことします。んで、返り討ちにされます。おっちょこちょいかよ。

 

家政婦は結局死んでしまったので夫は半地下家族へ復讐に。ギジョンは刺されて死にます。ここでチュンスクの元ハンマー投げメダリストとかいう設定を使って明確に殺意をもった人間に立ち向かっていきます。あまりにもかっこよすぎる。カアチャン…。

 

そんな中自分だけは助かろうと逃げ惑う大豪邸家族とその友人たち。刺されて倒れてる娘そっちのけでどんどん逃げる彼らを見たギテクは感情が抑えられなくなり、車のキーを寄越せと叫んだ主人をついに刺してしまいます。

 

もはや半地下家族しか存在を知らない地下シェルターに隠れ住むギテク、それを知ったギウはいつか金持ちになってその家を購入する叶うはずもない計画を立てる……

 

ここには分かりやすい善や悪はない。ただただ交わるはずのないほど格差がある2つの家族が交わった結果生まれた悲劇。確かにギテクは主人を殺したけど、ギテク自身が悪人という訳でもない。罪を憎んで人を憎まずという言葉の意味を初めて理解した気がします。

大なり小なり格差ってどこにでも存在していて、自分は半地下家族なのか大豪邸家族なのかって考えさせられたんです。とは言えその格差だけに固執するのも違う気がしていてとか考えてると、チュンスクが大豪邸で遊んでるときに「ここのお金が全部自分のものだったらきっと優しくなれる。優しさは懐の余裕からくる。」みたいな発言もしててそれも納得はできるなと。現実を見ないっていうのは大事なんかもしれん。

 

アニメ、見ようぜ。